■運命すら操る「掌握者」

 GMが演じる、このゲームで「敵」の役割を担う存在を掌握者と呼びます。

 掌握者は、もとはふつうの人間や動物などでした。
 しかし、願いを叶える奇跡の力・〈光輝〉をその身に宿したことにより、あらゆる事象を捻じ曲げて自分好みにできる、運命を掌握した存在になったのです。

 〈光輝〉は、彼らの想いがもっとも集約する体の一部や、大切にしているものなどに、虹色の威光として現れます。

・奇跡の及ぶ範囲
 

 〈光輝〉に、おおよそ限界はありません。
 世界一のアスリートになりたいと願ったのなら、あらゆるけがの克服や強靭な肉体、ライバルの凋落、人体構造を無視した身体能力の向上や、あらゆる記録の更新など、全てが掌握者の望むままに手に入るでしょう。

 あるいは、ほとんどありえないようなもの……タイムスリップしたい、異世界で暮らしたい、というような願いも、祝福によって実現してしまいます。


 しかし、これは実際に時間を遡行したり、世界を移動したりする形ではなく、掌握者の周辺を、望むように改変した状態で叶えられます。
 周りの、あらゆる全てのものを巻き込んで。

キング(イラスト:HIDE様).png


■書き換わった世界、「掌握領域」

 掌握者が自由に力を行使できる範囲を「掌握領域」と呼びます。
 この内ではあらゆることが掌握者の思い通りになり、復讐者以外の全ての人間はそれに違和感を抱くことすらありません。
 
 同時に、掌握領域は復讐者と掌握者による決戦の場ともなります。

 

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・祝福の代償

 掌握者の願いの実現は、他者の犠牲で成り立っています。
 掌握者が成功を願うなら誰かが凋落し、世界の改変を望むなら、多くの者の人生が台無しになる可能性があります。

 さきほどの例にあげたように、掌握者の暮らす幸福な世界は、彼らがそう意図したにせよ、しないにせよ、他者の苦しみを作り出しているのです。


 そして、〈光輝〉によって引きおこされた事象は、決してもとに戻ることはありません。


■欠落を抱える「復讐者」

 プレイヤーが演じるのは、そんな掌握者の力によって大切なものをうしなった「復讐者」です。

 

 復讐者は、掌握者の願いの影響によって、その心に埋めがたい「欠落」が生じた存在です。
 そして、掌握者同様に強い想い――復讐への願いを抱き、〈光輝〉を得た存在でもあります。

・復讐者のもつ歪つな焔(ヒカリ)
 

 掌握者の〈光輝〉は強大であり、そのまま戦っては、復讐者が束となっても返り討ちにされてしまいます。

 ですが、復讐者には復讐を遂げるための力があります。
 この効力によって、掌握者の力は少しずつ弱まり、やがて「掌握領域」の中でも影響を受けずにいられるようになるのです。

 これは、掌握者と違い、復讐者はその力を復讐にかかわることにのみ行使できるからです。

 すなわち、復讐者の力の代償は、仇敵である掌握者の〈光輝〉と言い換えることもできます。

 掌握者の起こす奇跡(イリス)を打ち消す災禍(ベイン)──その力を手に入れた存在こそが、復讐者・イリスベインなのです。

​ そして復讐者の〈光輝〉は、「復讐」という特殊な想いを反映するように、片方の瞳に単色の焔(ヒカリ)として宿ります。

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■〈光輝〉を与える〈眼の様なもの〉

 強い想いを抱いた存在だけが見ることのできる、空に浮かぶ虹色の光の渦、それが〈眼の様なもの〉です。
 

 それが何なのか、そしてどのような原理で〈光輝〉を授けるのかはわかりません。

 わかるのは、〈眼の様なもの〉と視線を交わした者には、願いを叶える力、〈光輝〉が宿る、ということです。

 そして、〈光輝〉を得た者はその瞬間に、その力の使い方と、力の代償を知ることになります。
 また、復讐者であれば自分の仇敵が誰であるか、掌握者であれば自分と因果が結ばれた者の誕生を知覚することでしょう。

 

 すなわち、その瞬間こそが、復讐劇の本当のはじまりなのです。

イラスト:HIDE、マキトシ、にじまあるく、赤宮文也(掲載順)