■セッションの流れ
『瞳逸らさぬイリスベイン』は、大きく4つのパートに分けて進行します。
①スタンバイ
「在りし日の思い出」や「事の発端」を描くパートです。
各キャラクターは、今は喪われた自分の大切なものとの過去や、その喪われた瞬間などを自由に描くことができます。
スタンバイを踏まえることで、復讐譚はより解像度の高いものとなるでしょう。
★喪った痛みに目を向ける「想起判定」
本作では、キャラクターのコマは6面ダイスで表現されます。
このコマを、各パートのはじまりに振ることを「想起判定」と呼びます。
想起判定で振った目は、そのキャラクター自身の持つ「記憶の断片」と対応しています。
たとえば、記憶の断片1に「2人で行った公園」がある復讐者が、想起判定で1を振ったら、次に自身がシーンでは、脳裏に、あるいはその瞳に幻として、そのときの景色が浮かんでいるという見立てになります。
記憶の断片は、掌握者によって失った大切なものとのエピソードのキーワードです。
つまり、想起判定を行うことは、喪った痛みを思い出すこと。
そして、復讐の想いから目を逸らさない、ということなのです。
ですが、実際のロールプレイで、想起判定の結果を反映させる必要はありません。
喪った痛みを抱えながら、なんでもないように過ごす――それも立派な復讐への道のりです。
●カウント(3・2・1)
復讐執行のための戦いを本番ととらえたとき、それまでの日々はすべて準備と助走ととらえることができます。
カウント3・2では「復讐執行までの日々」を描きます。
フォーカスされたキャラクターが中心となり、それぞれの現在の様子を演出しましょう。
カウント1が終わるまで、行動の正否を問う判定は一切存在しません。
ほかの復讐者と交流したり、エネミーの様子を探ったり小競り合いをしたりなど、キャラクターに応じた物語が演出できます!
参加者と相談しつつ、好きな物語を編み上げましょう。
また、パートを補助するための汎用シチュエーションリストと、シナリオによっては固有のイベントも用意されています。
カウント1は、掌握者の力を一時的に弱める力・イリスベインが完成したタイミングです。
復讐者は幻視した(あるいは事前に調査していた)、掌握者が待ち受ける場所へと出撃する短い場面を描いていきます。
★物語を保証する「フォーカス」
このゲームでは、戦闘を含めて、順番にキャラクターが「フォーカス」される仕組みをとります。
フォーカスされたキャラクターのプレイヤーは、自身が中心となり、望むシーンの作成を相談・演出できます。
シーンはソロでも、他参加者と協力して演出することもできます──フォーカスされたプレイヤーが望むなら、ほかの参加者にNPCを演じてもらうこともできる、という形です。
これは、個人の物語をしっかり描く場を担保するための仕組みです。
戦闘以外では、たとえエネミーであっても、作品世界やシナリオと矛盾しない限り、復讐者が望む展開を阻害することはできません。
エネミーが復讐者をなぶるような展開があるしたら、それはそのキャラクターのプレイヤーが望んだ時以外にはありえないのです。
安心して、あなただけの復讐譚を描きましょう!
●イリスベイン(戦闘)
復讐のクライマックスです。
戦闘の流れは、こちらから!
●アフターマス
「復讐執行のその後」を描くパートです。
〈光輝〉の力は不可逆であり、ふたたび戻ってきた日常には、復讐者が喪ったものは返ってきません。
復讐者であることをやめ、日常へ戻っていくのか、それとも──
それぞれの顛末を心ゆくまで描きましょう。
★セッション終了後の流れ
選択スキルを追加で1レベル分取得できます。
選択スキルは、同時に4種類まで持つことができ、そのレベルは問われません。
最大レベルまで取得した選択スキルを同時に4つ持つことも可能となります!
■継続して遊ぶ場合
『瞳逸らさぬイリスベイン』は、1セッションで最高の復讐劇を描くTRPGです。
基本的には、1セッションで復讐は完遂し、復讐のための〈光輝〉の力も行使できなくなります。
そのため、継続して遊ぶ場合は、「復讐対象が複数からなる組織である」「別の掌握者の願いによって、また大切なものを喪失した」などの物語を準備したうえで、
あたらしい復讐対象への因果や望む執行などを設定していくことになります。